上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2010.11.03 死刑うんぬん
夏、実家に帰省していた僕は傍から見るとのんびりだらだら時間を空費しているように見え、
いや事実そうではあったのだが、
しかしそれでも、実家のテレビで「ハーバード白熱教室」なる哲学番組を見たり、
時節柄やっていた戦争物ドキュメンタリーを見たり、
実家に置いてきた、あるいは母が勧めてきた本を読んでみたり、
妹がハマっている太宰治の小説を少し読んで、
「やっぱ文学なんや!文学って素晴らしいんや!」
などとちょっとした文学ブームが巻き起こったりと、
怠惰な僕にとってはそれなりに充実かつ刺激的なひと時であった。


そんな夏の間に読んだ本の中に、
「死刑絶対肯定論―無期懲役囚の主張」というものがある。
母が勧めてきた本で、僕が夏の間に読んだ本の中でも特に記憶に残っている。

著者の美達大和さんは人を二人殺したまぎれもない殺人犯で、
タイトル通り無期懲役囚として、LB級刑務所、
早い話が特に罪が重い凶悪犯だけを収監しているような、
世間一般でいう「極悪人」専門の刑務所に服役している。

なにかと加害者のプライバシーとか、人権尊重だとか叫ばれる、最近の加害者擁護の風潮の中で、
著者が述べているLB級刑務所の中の人たちの実態は、僕にとってショックだった。
彼らは裁判中こそ頭を垂れ、反省していますと殊勝な態度を見せているが、
そういう「演技」がいらない場所では、
「次は捕まらないよ」とか、
亡くなった被害者に対して「あんな所にいるからいけないんだ」とか、
「あいつのせいでこんな所に来るはめになった」などと、
自分のやった事を棚上げにして、被害者が悪いとすら述べ立てている。
要するに懲役刑の受刑者たちのほとんどは、自分の犯した罪を少しも反省していないのである。

面白いことに懲役囚よりも死刑囚の方が、反省や悔悟といった思いを抱きやすいらしい。
なぜか。
監獄の暮らしというものは地獄の様なものではなく、
起床、食事、労働、就寝の時刻に規則はあるが、テレビを見るなどの娯楽の時間が用意されている。
また、自分が犯した罪についての反省文を提出するなど、心証を良くすれば、
例え無期懲役であろうといつかは仮出所という形で外に出られる。
囚人たちは自分の罪と正面から向き合うことがなく、
反省する囚人があっても、次第に周囲の環境に慣れて反省しなくなってしまう。

死刑囚は出られない。仮出所の様なものはない。
死刑執行まで刻々と日が過ぎていくのを待つだけだから、嫌でも死について考える。
死刑というのは一種の報復刑だから、自分が殺した人と自分が同じ目に合うことを考えると、
そこから被害者の心情を推し量ることができ、自分の罪についてじっくり考えることができる。
だから刑罰の目的を「罪への償い」だと言うのならば、
生きて反省してほしい、罪を償ってほしい、と言うよりも、
死を覚悟させることで、自分の罪と向き合わせる方がずっと人道的だと僕は思う。

また犯罪抑止の立場から言っても、死刑は重要である。
死刑に犯罪を抑止する力があるのか?という議論はずいぶんされてきたが、
ある死刑「廃止」論者の統計によれば、
死刑を1回執行するごとに、4人の命が救われるという。
実際アメリカのいくつかの死刑制度を廃止州では、廃止直後から犯罪件数が激増したという。

一方で死刑を廃止しながらも再犯を防ぎ、治安を維持している所もある。
教育刑という観点から犯罪抑止に取り組み、
受刑者に己の犯した罪を意識させる一方、
親類縁者との連絡を十分に取らせる事で、囚人たちを孤立させない。
社会に復帰しても困らないよう、手に職をつけたり、資格取得のための勉強をさせたりする。
社会から弾かれて犯罪に手を染めた人に、
社会に再挑戦できるようにするというこのやり方は、
まだ北欧の一部で行われているに過ぎないが、確かな成果を上げているようである。

さて日本はというとこれがどうにも中途半端である。
死刑制度こそあるが、死刑になる条件が厳しい(殺人は4人以上殺害)ため、犯罪抑止には不十分で、
外国人の日本での犯罪率が高い理由の一つに、日本は刑が軽いから、とあるほどである。
また教育刑の方では、労働の中で手仕事を身につけたり、
囚人が希望すれば様々な本を取り寄せ、勉強に取り組む事もできるが、
当然ほとんどの囚人は勉強をやりたがらないため、実際のところ意味がない。

そうして出所した囚人たちは、親類からは縁を切られ、財産もない。、
前科があって、しかも若くなく、特に資格も持っていない、という理由で就職できない、
そういった状況の中で生きる為に罪を犯さざるを得なくなってしまう。


著者の美達さんは、
囚人たちに自分の罪をしっかりと認識させ、考えさせること、囚人たちに社会勉強をさせること、
裁判員として人を裁く時、「更生の可能性」を考慮して量刑を決める必要はないということなど、
様々な事をを提言しており、
最後に、今の世の中は加害者の人権を尊重するあまり、被害者の人権が軽視されているとして、
凶悪犯に対しては、ただ時間を空費するだけの懲役刑ではなく、
「執行猶予付きの死刑」の様な懲役刑にするべきだと述べている。
美達さん自身は、自分の罪をしっかりと見つめ、一生LB級刑務所から出るつもりはないという。


とまぁ、こうして長々と書いたのは、
ふとでんちゃんのツイッター見たら、何やら裁判員裁判について(11/1のところ)に
結構いろいろ書いていらしたので、夏に読んだ本と合わせてちょいと頑張ってみました。
うん、なんだろう。
もうブログになにかいてもいーやってなった時から、
ブログを書くのが格段に楽になった気がする。

... 続きを読む
スポンサーサイト
Copyright ©FALTHTEAM紀 All Rights Reserved.
material by b-cures. template by テンプレート配布 lemon lime
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。